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Lolita(ロリータ) [映画のこと(レビュー紛いの文章)]

 日曜日の習慣としては、夕食のあとは映画を見ることが結構ある。映画館のレイトショーだったり自宅であったりのどちらかだが今日はあとの方にした。

 余談ながら、我が家の安物DVDプレイヤーはしばらく使わないうちにいつの間にか故障していた。どのキーを押してもウンともスンとも言わない。昨年五千円ほどで買ってきた文字通りの安物に多くを望むほど虫のいい了見は持ち合わせてはいないが幾ら何でも一年も経たずにおシャカでは私も憮然たる気分になる。結局レンタルソフトはどれも今日は見られずじまいで手持ちのLDを見ることにした。LDプレイヤーは決して高級機とは言えないものだがこちらは十年ほど前に買ったものが今でも遠慮なしにガシガシ使える。いずれDVDがブルーレイディスクに取って代わられた後でも我が家ではLDが稼働していそうな気もする。ローテクにはローテクなりの良さがあってそのうちの一つはメンテの融通が利くとか耐久性があるとかいったあたりのように思える。

 本日の演目はスタンリー・キューブリック監督の「ロリータ」とした。1962年、ハリウッドの映画事情といいキューブリック本人の身辺事情といい結構微妙だった時期の作品である。

ロリータ

ロリータ

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD

 

 

 

原作はこちら。

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

  • 作者: ウラジーミル ナボコフ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫

 

 実は私は原作をきちんと読んでいない。大分以前い斜め読みした程度だがスタンリー・キューブリックの映画は大体どれも原作を精読しなくても支障はないと思っている。

原作、映画共に、決して商業的に大きなセールスを記録したわけではないし、通俗的な内容でもない。どちらかといえば内向的な作風だと思う。であるにもかかわらずこのタイトルが後の世にもたらしたムーブメントの大きさが計り知れない。 人物の固有名詞が人の性的嗜好を表すほど大きな意味を持つに至ったという点ではSMと双璧といえそうだ、と私はここで妙に感心したりもする。

 なにしろこの、「ロリータ」というキーワードでAmazon.comを検索してみると、このブログに貼り付けるためのリンクを探し出すのを諦めて途中で投げ出したくなるくらい夥しい数の商品が湧いて出てくる。当然ながらそれらは全てと言っていいほどブログのリンクに貼り付けるのが憚られる類の有象無象である。物語上の一登場人物の名前がこれほど大きな市場性を持つなどとは当時原作者も予想していなかったのではなかろうか。

 映画については何せスタンリー・キューブリックであるからして、ついでに言えばあくまで原作を下敷きにしたストーリーであるからして至極文学的な内容だ。多くはないと思うがタイトルにつられて妙な期待感を持った方は、はいご愁傷様、となる。

 日本にいて今日の感覚で見ているとこの中途半端なメロドラマの一体どこがそんなに問題なのかと首を傾げたくなる。1962年という製作時点での倫理規定上の問題かと思ったが、考えてみると現在に至るまでもオヤジがローティーンに恋愛感情を持って接するというモチーフは私が知る限りでは殆どないのではなかろうか。ハードコア・○○○業界でも幼女趣味やSM行為や強姦シーンは徹底的に排除されているからきっとこれはお国柄とかキリスト教文化圏での物差しに於けるタブーを扱ったという意味でセンセーショナルだったのだろう。1960年代初頭はテレビの台頭による映画興行の凋落が顕在化した時期でもあったから映画館への集客という目的のためには手段を選ばず幾分破れかぶれ的な意味でテレビでは扱えないような企画が通ったのだとも思える。

 話題がだんだん怪しげな方向にずれていくのを危惧しながらも止めようがない私自身の品性が本日は大変こっ恥ずかしい。作品論まがいのことを何か書いてみたいのになかなかそこに辿り着けないのは何も私自身のロクでもない性癖が本作のタイトルと同じベクトルを持っているからというわけではありません!いや待て、なんだか書けば書くほど白々しく弁解めいているようではないか。まとまりがつかないので本日はこれまで、とにかく、たとえば、この映画のタイトルをキーワードにして検索した結果たまたまこのしょうもないエントリーに行き当たった方!本作に○○とか○○○とかを求めないでください。そういう描写はここでは一切出てきません。あくまで文学的に接していただきたいっ!

 と、妙に不自然な力み方をして今回は一旦終わり。 

 

 


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