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ネット接続環境の変更にまつわる雑感 [パソコンのこと(主にMac)]

 先日、我が家のプロバイダー接続環境はようやく光ファイバー回線へと進化した。料金のことを考えて今まで数年逡巡を続けてきたが色々便利な契約形態が出てきたようなので電話料金節約のために踏み切った次第。

 私は自宅の一室を自分の事務所にしており、これまでは私用と仕事用とで電話の回線を二つ持ち、プロバイダーのアカウント、メールアドレスをそれぞれ二つという大変不経済なやり方でこれまでを過ごしてきた。これからは一本の光ファイバーケーブルでこれら二つを兼ねることになるので基本料金は一本化されて総合的には幾らかNTTへの支払いは安くなる目算だ。

 通信行政の大きな流れを思い出してみると、とにかく接続元からなるべく沢山のお金を取り立てたい意図が露骨に現れている。大体通話料など欧米では大半の国が定額制であると聞いた覚えがある。私がパソコンを買い込んでネットにつないだのは9年ほど前だが当時はテレホーダイなどというくだらない制度があった。通話料惜しさに夜の11時までネットへの接続を我慢しなければならなかった日々を思い出すと懐かしくもあるが苦々しくもある。当時はNTTの尻馬に乗ってプロバイダーまで従量制の料金体系だった。私はパソコンを買い込んで以来、ISPは変わらずSo-netとの契約を継続しているが、これは9年前の時点で56kbpsの転送速度で定額制であるアクセスポイントが私の住む土地にはSo-netしかなかったからだ。その時点で諸外国ではADSLが当たり前、進んだ土地では光ファイバーの回線まで現れていたはずなのでひどく立ち後れた環境だったことになる。何か大きな力が足を引っ張っていたせいだ。

 いうまでもなくその犯人はNTTだ。ISDNにせよADSLも今回の光ファイバーにせよ(私は導入をかなり渋ったが)とにかくNTTというところは技術の出し惜しみがひどかった。NTTは毎度、より高速な転送技術の導入となるととにかく腰が重い。世の中これだけ携帯電話が定着してそちらで大儲けしているくせに未だに有線電話の通話料は従量制にしがみつき続けている。もう、とうの昔に元を取ったはずのインフラなのに。

 モデム経由でパソコンを電話のモジュラージャックにつなぐネット接続環境にしたところでそれは既に元を取っているはずの有線電話の回線網の再利用でしかないわけだが、アホ臭くて導入を見送ったISDNだの何だのと、技術を小出しに小出しにして、なるべく遅い転送速度、なるべく長い接続時間に抑え込んで通話料を稼ごうという助平根性が露骨に見て取れた。JT同様、官制企業の独善性には目に余るものがある。

 私は今回、Bフレッツに切り替えたがこれにしたところで安価な契約プランができたから踏み切ったのであって、たとえば5年ほど前だととても考慮する気にはなれないような金額だったはずだ。 世界中至る所、光ファイバーのインフラが当たり前になってきたのでいつまでも悪辣な鎖国状態を続けているわけにはいかなくて渋々、というのが実相ではなかろうか。

 ともあれ、と言うかひとまずと言うか、伝送速度や損失など、目下最良の接続状態を私は手に入れたのでNTTに対する愚痴や恨み辛みは一時治まることになる。これまで私は旧電電公社に就職した同級生達にはあらゆる機会に散々実効性もなく無意味な八つ当たりを続けたのだった。 もちろん彼ら個人に不満をぶちまけたところで何が変わるわけでもないのだが何事か文句を言わずにいられなかったのも事実だ。それにしても官制企業とか国策企業、公益企業と言った組織のありようは私には凄く不思議なものに思える。あの腰の重さ、紋切り型の対応、魯鈍な意志決定と恐るべき面の皮の厚さ、鈍重を絵に描いたようなあの組織を構成している細胞の面々はかつて学生の頃には1、2を争う秀才達だったのだ。私自身の経験で言えば、電気工学科という学科に於いて電力会社と電電公社というのは学業成績がトップクラスである人たちの就職先だったのだ。就職してから再会して思うのは彼らが皆一様に頭の固い凡庸な発想の持ち主になり果てていることで、以前の彼らを知る私はその変わりように毎度複雑な気分になる。安定が約束された職場というのは属する人の人格を円満ではあるが物足りないものに造り替える職場でもあるのだろうか。型にはまった、失敗しなければいいだけの人たちが必要なのであれば何もわざわざ成績上位の秀才達をかき集めなくてもいいんではないの?と毎度思うが、だからといってたとえば私のような規格外の落第坊主ばかりでは組織としての統制がとれなくなるのだろうからやはりあれら官制企業の選考基準は正しいのかもしれない。

 


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