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居候の食物嗜好を推し量る試み [居候の生態]

 猫という動物は動物性のものしか食べないと聞いたことがある。以前、サンデッキに私が食べた魚の骨を置いてみたことがあったが居候は一別もくれず、骨はそのまま真っ黒に風化して砕け、風に吹かれてどこかに飛んでいった。

 材料を買えて別の動物にしてみるとどう反応するのかを見てみたくなったので実験。灰皿に私の食べ終わったフライドチキンの骨を乗せてサンデッキに置いてみた。居候は悠然と登場し、骨の乗った灰皿を一瞥していったんは近寄り、匂いをかいでから少し離れた場所で寝る。

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考えてみると私がサンデッキで居候を見かけるときには寝ていることが多い。物音には敏感で寝ているときに私がドアを開くとすぐに目を覚ましてどこかに退散する。

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 目を覚ましてやおら灰皿に近づいてきて骨を漁る。私は悪食にして貧乏性なので食べられる部分は残っていない。自分の食べるものを買ってきたのであって特段居候のために何かをしてあげたくなったわけではない。正真正銘骨ばかりだ。骨しか入っていないのにとにかく一番大きい物体をくわえて取り出す。無意味な行動だ。

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 食べられる部分が全くない骨をしきりにかじる居候の図。あっちこっちと場所を変えて骨をかじり、どこにも肉が付いていないことを徐々に察すると挙動が段々荒々しくなってきた。うなり声を上げながら毛を逆立ててガリガリと骨をかじる。気のせいか段々禍々しい目つきに変わってきたように見える。骨が滑るとまた唸る。散々苛立ったあげく、居候は食べられもしない骨をくわえてどこかに失せた。

 私はこの居候を飼い慣らしたいとは考えていないし、猫に甘えてもらって孤独感を紛らわしたいとも思わない。腹が減ったのであれば自分の餌は自分で探せばよいのであって、世の中にそうそう頻繁においしい餌が落ちているわけではないことをこの野良猫は学んでよい。ヘマをやらかしたり誰かの奸計に引っかかって悔しがったりしながら自分の流儀で勝手に生きていく術をどこかで学ぶのが生き物の掟である、とかなんとか窓越しに居候の生態を眺めながら私はどこかでこの居候と自分を重ね合わせている。


タグ:居候 野良猫
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