Summer Holiday/Cliff Richard(サマー・ホリデイ/クリフ・リチャード) [音楽のこと(レビュー紛いの文章)]
しばらくぶりに更新。本性であるさぼり癖が露見したのでした。
私の住む土地の夏はもうおしまい。半袖シャツとは当分お別れとなる。夕食を食べながらFM放送を聞き流していると妙に引っかかる歌に出くわした。謳っていた人も、そのタイトルもさっぱり思い出せないのだが何だかやけに記憶にこびりついている節回しってありませんか?
音楽を聴くことに自覚的になったのは30数年前のビートルズからで、この曲はそれよりもっと前、私の幼少時の頃にどこかで聞いたことがあったのだと思う。今日のオンエアーで初めて私はこれがクリフ・リチャードの歌だと知った。夏休みの開放感とそれもいつかは終わってしまうことのペーソスみたいなものもチラッと垣間見える、今聴いてもなかなかいい感じの歌だ。
年齢が二桁になる頃には既に屈折を内在させた坊主だった私にとってクリフ・リチャードという人は毒にも薬にもならないポップ・シンガーの代表みたいな存在で全く注意を払うことはなかったが、以前カーペンターズのテキストで書いたようにこういう音楽を受容できるだけの感覚的な余裕がなかったというのがつまり、当時の私の若さであり未熟さでもあった。
公平に見ればこのクリフ・リチャードという人もイギリスではそこそこ売れたものの当時のアメリカを見ればエルビスがいたり、60年代の中頃からはロックバンドの勃興があったりでちょっとついてないようにも見える。
多くの人達もそうだろうがクリフ・リチャードと言えば真っ先に思いつくのがCongratulationではないだろうか。
これまた今日の放送で初めて知ったのだが、この曲をレコーディングしたときのベースマンは何と、あのレッド・ツェッペリンに参加する前のジョン・ポール・ジョーンズだったのだそうで。
しかしまあ、ひねた少年期を送った私のような者にとってこういう有り様のミュージシャンというのは何とも鼻持ちならない存在であって生理的に好きになれなかったのだが、まあこの人がSummer Holidayを唄っていたわけだ。歳はとってもアンテナの手入れをしておくとそれなりに小さな発見はあるようで。ともあれ今年の夏はおしまいだなあと、この曲をBGMに書いた駄文でした。
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