居候のプロポーションについて [居候の生態]
不定期に現れる居候の姿をガラス戸越しに眺め続けているうちに私はあることに気付いた。使い回しの画像である。
こ奴は野良猫にしては随分肥えているように私には見える。今まで意識したことがなかったがどうも今まで私が抱いていた野良猫の標準的なプロポーションからは外れている。はっきり言ってメタボ、デブだ。この、野放図にでかい腹を見よ。この居候は一体どこでこんなに肥え太るほど潤沢な餌にありついているのか。
猫を擬人化してあれこれ言うほどの想像力は私にはない。お断りするまでもなく写真の腕もからっきしである。しかし自分の取ったこの絵面をしげしげと眺めていると昼下がりにテレビの前に寝っ転がってセンベイでもかじりながらワイドショーに見入るどっかの肥えた母さんの生態を連想するのである。そういう想像をしていると本日は居候がサンデッキに上がり込んできた。
主に尻を向けて餌を漁る。考えてみると居候は食い物に対して結構贅沢な嗜好があるようだ。私が気まぐれで置いておく鰯の煮干しなどには目もくれない。本日の餌はしばらく前と同じく昨日私が食べ残したフライドチキンだ。そのような嗜好だからしてメタボ風になるのだろうがしかし、何とも鈍重な印象の後ろ姿ではある。
この居候の風貌は、「敏」という言葉に縁がない。俊敏、敏捷、敏速、等々。こういう佇まいから風格とか貫禄といったものを感じ取るのは大変な誤解であって野良猫にそのような思い入れを持つのは単なる錯覚や独りよがりな思いこみでしかない。 日頃の生態を観察するに、どう見てもこの個体は単なる大飯食いの怠慢な生き物というのが妥当だ。
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