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岸和田少年愚連隊(外した映画シリーズ?) [映画のこと(レビュー紛いの文章)]

 余り書くべき事がない。普段は垂れ流しの駄文が多すぎる反省を込めて今回は手短に書く事を試みる。

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  井筒和幸監督にはこれまで幾つか大阪を舞台にした不良少年を描いた映画がある。そして本作はそのうちで最も出来の悪い映画だ。何が良くないと言って主人公の二人が全然不良に見えない。不良は大体、形から入ってくるものだと私は覚えているので、この映画は最も根本的な設定を無視している事になる。

 この手の映画の第一作は『ガキ帝国』で、井筒監督は以後、第一作を超える不良少年物語を一つもモノにできていない。その後三作続けても全てこれ以下なのでおそらくこの先も無理だろう。

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「ガキ帝国」では島田紳介と松本竜助のコンビを起用して成功を収めたので今度はナインティナインを起用しようという安直な考えが丸見えだ。「ガキ帝国」が成功したポイントは必ずしも漫才コンビの起用にあったわけではないのでこれは読み違い。吉本系の漫才コンビを起用して舞台は大阪の不良少年グラフィティをシリーズ化しようという商業的画策もあったのかもしれないが、もしも本作がその目論見を断念する理由になったのだとしたら確かに納得のいく出来上がりではある。

 漫才コンビのうちの背が低い方はやっている事がテレビのバラエティ番組そのままで映画俳優として何をしなければならないのかがわかっているようには全然見えない。背の高い方が演技者としては幾らかましに見えるが、先に書いたように不良少年風では全然ない。出演者の資質の問題はそれとして、映画の筋立て自体も時系列でいくつかのエポソードを並べてみただけといった感じで 全体を貫く構造みたいなものは感じられない。それに不良少年でハイティーンというのはこんなにあっけらかんと能天気で楽しい事ばっかりなものだろうか?私個人は刹那性や寒々しさがどこかに見え隠れする作風の方に肩入れしたい心情があるので、映画としては『ガキ帝国』よりも退歩した印象を受けた。

 映画は全て芸術性をを持った「作品」でなければならないとは私は全然思わないが、本作は娯楽作品としても出来が悪い。漫才コンビのショーケースはテレビ番組や吉本興業のステージで事が足りるはずで、映画はまた別の入れ物ではないのか。


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