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釣果ゼロ再び [Outdoor的なこと]

7月5日、AFC大会の結果を記しておきたい。
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大会は昨年で20周年を迎えたとのことで、21年目の今年は前回秋の大会の入賞者に記念メダルが贈呈された。
 私は生兵法のいい加減な釣りしかできていないので、まぐれ当たりでたった一回優勝したことを除いては惨憺たる釣果しか残せておらず当然論外だ。 

 とはいえ今回の私には少々期するところがあった。今大会に備えて密かに多少の練習に打ち込んでいたのだった。何となれば前回、私は釣果ゼロの坊主というみっともない成果だったからだ。 
 幾ら何でも二大会続けてボウズでは惨めすぎる。しかも池釣りでだ。大会の前々日から餌を絶たれて腹ぺこの魚達がうようよ泳いでいるのを眼前にしながらのボウズではとても格好がつかない。毎回およそ40人ほどが参加するこの大会で2大会連続のボウズはあまり例のないことらしい。 

 経過を書いておきたい。実は今回またしてもボウズという落胆すべき結果が待ち受けていたのだった。何を言ったところで弁解でしかないのだが捲土重来を期していても報われないことが世の中には嫌になるほど沢山あるということを書いておかないと気持ちの整理がつきそうにない。 

 この日のために取っておいた鎌倉ミミズの効果は絶大だった。開始後五分で早くも食いつきがあり、合わせのタイミングは我ながらほれぼれするほどぴたりと決まりロッドにはかなりの手応えがあった。一昨年あげた大物の感触に近い引きの強さだった。50cmは固いな、と、私はニジマスとのファイトを繰り広げながらほくそ笑んだのだった。 魚体は相当な馬力の持ち主で、右へ左へとロッドをへし折りそうな勢いで暴れ回り、時に水面でジャンプする。久しぶりの釣果にわくわくしながら私はロッドを操っていた。 

 と、そこへ銀色に光る糸が目の前をよぎった。隣に陣取っていた参加者の方がやおらキャステイングを始めたのだった。空中に投擲されたラインは風に流されてファイトしている最中の私のラインに絡み付き、相手の魚は大暴れの気配がいっこうに止まないせいで見る見るうちに私たち二名のラインはこんがらかってひどくもつれた。そうこうしているうちに獲物はまんまとラインをちぎって逃げ仰せてしまったのだった。その瞬間、ちぎられたライン同様、私の中では何かが無惨に崩落していったのだった。 

 お見合いの相手となった某氏はいたって悠長な様子で絡まったラインをほどこうとしているのだが、私の目からその手つきはあまり器用そうで経なさそうに見えたのだ、失礼ながら。 
 あまり時間がかかるので、こんな調子で経今回待たしも私はボウズの屈辱に甘んじることになってしまいかねないとだんだん私が焦り始めた。某氏は年長者なのでなるべく丁重にラインを渡してくれるようにお願いして私がほどき始めたが、焦っているのは某氏もご同様でついつい横から手が出てくる。それでもつれたラインはなおさらけったいな絡まり方をするという悪循環に陥った。 

 いっそのこと二人ともラインを切ってしまって最初からやり直すべきではないかと持ちかけたが某氏はなお絡まったラインをほどくことを諦めきれずにいた。合意に達したのは実に競技終了10分前。気を取り直して再度のキャスティングに取りかかったのが終了5分前、もう私は腹立たしいやら焦るやらで本当に柄にもなくカリカリ来ていたのだった。 

 ただ単に、魚にラインを切られて競技続行ができなくなったことはこれまでにもあった。それはそれで残念ではあるが納得出来ない結果ではなかった。しかしここで、他人のラインが絡んでくるというハプニングが挟まると曰く言い難い怒りのような感情が湧き出してくるのは何故だろうか。 まあお互い子供でもないので、苦笑いしながら二言三言言葉を交わしてお茶を濁すのが不文律なわけだが悔しいものはやっぱり悔しい。   
  競技終了後のバーベキューパーティで私はやけ酒よろしくビールを飲んで嫌なことはとっとと忘れることにした。それで一体どうやって山の中から自宅まで戻ってきたかについては聞くだけ野暮というものだが、御用にならずに済んだのはその程度には私にもツキが残っていたからだ。 
 釣果がさっぱりついていない結果だったのだからそれくらいはいいではないか。神様、どうかお見逃しを! 

こんなていたらくに終わってしまったが、主催者様のご厚意により私にも景品が当たった。ボウズであることを白状したのでその正直さに免じてワカメスープの素一袋を頂戴した。無能であるのは仕方がないとして、誠実に努めれば一つくらいはいいことがあるということだろうか。

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いっぷく

悲惨なアクシデントでしたね、悪気はないといえこれは人災。
気持まで切れちゃいますね、でもさすが紳士的態度で自分の中だけで済ませたのはすごいです。普通、文句の一つも出ちゃいますね。
釣りは運も大きく左右するんですね。
by いっぷく (2009-07-08 23:41) 

shim47

いっぷく様、コメント有り難うございます。
池での餌釣りとなると釣果一匹とボウズでは大違いでして、私は結構切実な覚悟を持って臨みましたがあえなく頓挫した次第です。
あげることはできませんでしたが掛けることはできた、というあたりがなんとかエクスキューズとして通用する最低水準で、ポーカーで言えば2のワンペアくらいでしょうか。
by shim47 (2009-07-09 20:48) 

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