Revolutionary Road(レボリューショナリー・ロード) [映画のこと(レビュー紛いの文章)]
ついうっかりして映画館で見そこねた映画は多い。
数え上げていくと嫌になるほど多いのだが見たい映画の全てを映画館で見ていられるほどお金や時間の余裕があるわけでもないので,現実というのは元々思うにまかせないものなのだと自分を納得させる術をいつの間にか私は身につけている。
今年の初め頃公開されたものだが、上映時期をチェックしていなかったので先日レンタルDVDで「レボリューショナリー・ロード]を観た。
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで スペシャル・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- メディア: DVD
毎度の話だが、「燃え尽きるまで」などという元々はありもしない陳腐なサブタイトルはやめてもらいたい。全部を見終えるとこのサブタイトルは笑えないジョークだったことに気づく。
主役がレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットとなると、多くの方はこれを連想するのではなかろうか。
私自身は意地でも見ないと決めつけている。やせ我慢のようなものだが理由はそのうちはっきりさせるつもりでいる。
何の予備知識もなく、サブタイトルだけを見ているとキャスティングのせいもあってよくある恋愛ドラマのような先入観を抱きかねないが内実は殆ど真逆で、感情のささくれ同士がこすれ合って火花を散らすような緊張感が骨格をなしている。
閉塞的な空間にとどまり続けることで宿った狂気がやがてどんどん成長して破滅に向かって突進していくという基調は、未だにどこかで私を悩ませ続けるこの映画に似ている。
シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- メディア: DVD
男女の役割を入れ替えると物語の構図は随分似てくるように思う。
凡庸な日常の連続がもたらす予定調和的なぬるい日常に肯定的な夫と、大きなリスクと引き換えの『特別な人生』を送る可能性をどこかで一旦諦めて、夫に同調しながら日々を過ごすことの割り切れなさを抱え込んで専業主婦として過ごすことにだんだんストレスを感じ始める嫁さんの物語なわけだが、夫婦や家族の共同幻想を一方は守ろうとし、対する一方は破壊しようとして相争う構図という意味ではこんな映画にもその共通項はあると思う。
主演女優の鬼気迫る猛演というのも共通項だろうかw
但しこちらは野球のように共同幻想を守側と壊す側が入れ替わり立ち替わりであるのに対して、レボリューショナリー・ロードは終始一貫して嫁さんの側がサザエさん的日常をぶっ壊そうとして暴れる。
やもめ暮らしの私にはリアルな実感がなかなか湧いてこないが、妻帯者(特に専業主婦を妻に持つ)である諸兄にとってはさぞかし現実化してもらいたくはない物語ではなかろうか。
(気分次第で以下続く)
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