Weasels ripped my flesh/the Mothers of invention(邦題;イタチ野郎) [音楽のこと(レビュー紛いの文章)]
中学生の頃、よく聴いていた。こうして歴然たる中年オヤジになってから14歳の少年を見て思うが、そういう年齢にして家にこもってフランク・ザッパなんぞにうつつを抜かしていた私は相当にひねたガキだったに違いない。14歳にあるまじき精神生活を送っていたのが当時の私だったのだろう。
当時私の周辺で、洋楽といえばカーペンターズかパープルだったが、どちらも私には遠いところにある音楽だった。どちらも偉大な一つのスタイルではあるけれど、まっとうすぎるというかはまりすぎというか、当時の精神生活は世間に溢れかえる色々な型のどれとも今ひとつ噛み合わない感じがしていた。
このことは別のエントリーで書きたい気がするのだが、昭和47年頃、Wooというアメコミを紹介する雑誌があったように覚えている。所謂サブカル的な位置づけの雑誌だ。刊頭マンガがFlitz the catだった。真ん中あたりにロックのレコードのレコジャケ紹介記事があって、金はないのに想像力だけはあった当時の僕はどうせ買えもしないジレコードの写真を飽きもせずに繰り返し眺めていた。
今とは違って本当に情報に乏しかった頃だが、それなりの発見もあった。例えば、ジンジャー・ベイカーズ・エアフォースのジャケットが英盤と国内盤ではまるっきり違っていることとか。
それはさておき、その特集でひときわでっかく掲載されていたのがこのジャケットだったように覚えている。これはちょっと嬉しい、いい意味でのショックだった。当時の状況から言えば、どんな形であれザッパのレコードが大きく取り上げられるなんていうことはなかったのです。
実はこのレコードは私が買ったものではないが今は手元にある。兄が買ってしばらく彼の手元にあったものを後に譲り受けたのだ。最も彼の手元にあったうちにも好き放題に聴きまくった。坊主の頃にこのジャケットを見てただならぬインスピレーションが湧いてきたが内容は期待を裏切らなかった。
内容についてはどうせ更に独りよがりな駄文が続くだけなので自制する。ただ、その後の音楽聴きとしての僕にどえらい影響があったのは間違いない。
(1)このレコードでエリック・ドルフィーという名前を覚え、後にジャズにはまる伏線となったこと。
(2)ラストの曲、というよりも訳のわからん轟音(2分以上も続く。イタチの最後っ屁というには余りにも豪快すぎる)のせいで再生装置に興味を持つようになったこと。
しかし今見てもいい絵だ。現在の気持ちとしてはLPレコードをもう一枚手に入れて、額に入れて居間に飾っておきたくなる。
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