渡米前夜のエインズレイ・ダンバー [音楽のこと(レビュー紛いの文章)]
デビュー以来、マザーズ・オブ・インベンションには長らくステディ・ビートのジミー・カール・ブラックがリズムの基盤を担当し続けていたわけだが、バンドリーダーが演奏技術の向上を志向するようになってくるとより多彩な打ち分けができるドラマーへと入れ替わっていくことになる。
タートル・マザーズへと大幅にメンバーチェンジがなされた中で英国から渡ってきたエインズレイ・ダンバー Aynsley Dumberはリズム陣の目玉だったようだ。私が初めて聴いたザッパのレコードは兄の買ってきた「チャンガの復讐」Chunga's Revengeで、当時はジンジャー・ベイカーこそが世界最高のドラマーだと盲信していた私はここで今一人の名ドラマーを知ることになった。
今聴いてみても縦ノリビートの前任者はそれで一つの個性として、タメとか重量感とかは段違いに進化していてザッパ諸作の中でも普通にロックっぽいテイストのかなりの部分はドラマーに負っているように聞こえる。
本作以降、エインズレイ・ダンバーは私にとってのフェバリット・プレイヤーの一人となったのだが、ザッパのバンドの変化につられるようにして私の志向も段々インスト重視、技巧重視へと変わっていった。
30数年前の私は今以上に知識がなく、情報も限られていて音楽を聴いてはあれこれ想像するくらいしかなかったのだが、現在、時系列であれこれと情報をほじくり返してみると渡米以前のエインズレイ・ダンバーは自己名義のバンドのリーダーであったり、ジェフ・ベック・グループの前身に在籍していたりして色々と興味が湧いてくる。
いやはや皆さんお若い。このメンバーでのフルアルバムというのを製作しておいて欲しかったものだと思う。今となっては再現不可能なメンバーだけに全く惜しい話だ。
勿論、ドラマーがミック・ウォーラーに代わってレコーディングされたこれは愛聴盤ではあるけど
この後のジェフ・ベックが擁したコージー・パウエルやカーマイン・アピスといった凄腕達との演奏を聴くにつけ
『本作でのドラマーがもしもエインズレイ・ダンバーだったら・・・・』という想像をいつも私は抑えきれない。
初めまして♪
「いたち野郎」のアイコンにひかれて来ましたザッパ好きです。
「チャンガの復讐」いいですね、メンバーがやたら入れ替わるなかで、
エインズレイ・ダンバーの名は記憶してます。
ブログ名もアルバムから頂いたんですね♪
by いっぷく (2008-08-02 11:03)
いっぷく様、コメント有り難うございます。
いつかどなたかが気付いてくれるのだろうなーとは思い続けていましたが、ブログ開設以来2年少々で初めてご指摘をいただきました。ご同好の士がおられて私も嬉しいです。散漫な内容のブログですがよろしくお願いいたします。
by shim47 (2008-08-02 12:06)
そうでしたか、このジャケットのネオン・パークの絵は強烈な印象を残すと思うんですが、やはりマニアックですかね。
海外の人気度と比較して日本ではあまり売れていませんからね。
数少ない日本公演のライブを生で見たのは衝撃でした。
本人が亡くなられてさみしい限りですが、古くからのファンですのでほとんどのアルバムを買い揃えています。
by いっぷく (2008-08-02 12:48)