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Duke Jordan死去 [身辺雑記]

 8月8日に亡くなられたのだそうです。享年84歳。天寿を全うした、といってよい年齢ではあります。
http://www.artsjournal.com/rifftides/archives/2006/08/duke_jordan_1.html

 記録された音楽はこれから色々なところでいろいろな方がいろいろなことを書かれるでしょう。
 私が思い出すことを二つほど書きます。(勿論、個人的に関わりがあったわけではありませんが)

(1)以前読んだ雑誌のインタビュー記事でファーストネームについて"Duke"というのはDuke Ellingtonにあやかったのかとインタビュアーに訊かれて「とんでもない、私はそんなに不遜な男じゃないよ」と慌てて否定していたのを何故か覚えているのです。
 何しろ、傲岸さの塊の如きかのマイルス・デイビスでさえもエリントンの前では直立不動だったそうで、カテゴリーを問わず、黒人ミュージシャンのエリントンに対するリスペクトはそれはそれは深いものがあるようです。
 それで、Jordan氏のファーストネームの由来はといえば、本人曰く、ゲンコツの俗語を頂戴したらしい。若い頃は非常に短気で喧嘩に明け暮れていた日々があったのでDukeというあだ名がついたのだそうです。外見やプレイスタイルからは想像しづらいですが。

(2) Duke Jordanは若い頃の一時期、チャーリー・パーカーのバンドにいたことがあります。ここで再びマイルスですが、自伝によれば(この自伝はインサイド・ストーリーの宝庫、必読ですよ)同時期に在籍していたマイルスはバックのピアノがDuke Jordanというのが実に気に入らなかったらしく、親分のパーカーに何度も「あいつをクビにしてくれ」と申し立てたらしい。自伝は1990年代に作られたもので語り起こし形式で書かれていますが、この時点でさえ話を続けているうちに気が立ってきて罵倒の言葉を吐くほどで、余程何かあったのではないかと勘繰りたくなります。
 好き放題に想像をふくらませてみると、マイルスが後年ボクシングを習うようになった理由に幾らか関係があるのかもしれない、とか。
(我ながら、絵に描いたようなゲスの勘繰りです)

 裏話はさておいて、決して大向こうを唸らせるような巨匠ではなかったけれど、LP一枚を聴けば必ず最低一曲は、なんかホロッとくるような、何かの折りにふと思い出しては懐かしくなるような、小味の効いたチャーミングなテーマが入っている愛すべきピアニストでした。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 
 


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