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サンダ対ガイラ [映画のこと(レビュー紛いの文章)]

 前回、「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」のことを書いて
http://blog.so-net.ne.jp/r-shim47/2007-01-07
本作はその続編というか後日談みたいな関連作品である。 

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2007/01/26
  • メディア: DVD

 繰り返しになるが、保育所に通っていた頃の私はバラゴンの人形に俄然入れ上げていた。そもそもどうして私がそのソフビ人形を手に入れたかというと、バラゴンがやたらと格好いいことを兄に吹き込まれたからだった。私の兄は年の離れたいとこに連れられてその映画を見たが私は連れて行って貰えなかったのでやたらと駄々をこねまくり、後日、ご機嫌取りにソフビ人形を買って貰ったという経緯がある。

 私は兄にしつこく何度も結末を尋ねたが、バラゴンがやっつけられてしまうというのが納得できず、何とも悔しくて悔しくて仕方がなかった。そこへどうも、続編らしい映画が公開されるというニュースが入ってきた。洟垂れ小僧の私はフランケンシュタインの生まれ変わりであるサンダとガイラが二匹いっぺんにバラゴンの敵討ちに逢う妄想を勝手にこねくり回して色めき立った。今にして思えばいくら洟垂れ小僧とはいえ正真正銘の阿呆みたいで、こうして書いていても気恥ずかしくなる。

 兄の情報によれば、今度の映画ではメーサー砲という極めつけの新兵器のお披露目もなされるらしかったので、私の期待感はヒートアップした。私はせがみにせがみまくって映画館に連れて行って貰う確約を取り付けた。当日誰に連れられていったのかはもうさっぱり思い出せない。
 当日、映画館のポスターを見た私は、兄弟怪獣のグロい容姿に結構怯み、そこにバラゴンの姿がないことに一抹の不安を覚えたが、必ずや映画のどこかでフランケンシュタインの怪物二匹を叩きのめしてくれることに希望をつないだ。
  

 プログラムは二本立てで、最初は「ジャングル大帝」だったが筋書き等々はさっぱり覚えていない。元々出来の悪い頭である上に本編への期待ばっかりが先走っていたのだから仕方がない。
 そして本編だ。いきなりガイラが登場して船を襲い人間を食らう。意外にも、怪獣が人間を食べるという場面はこの時まで見たことがなかったように思う。加えてガイラの身のこなしはそれまで見たどの怪獣よりも憎々しいくらい俊敏だった上にこの陰惨な風貌だ。
  
 今でこそ、東宝特撮怪獣映画の中では屈指の出来だなどといっぱしの批評家気取りでこんな駄文も書いていられるが、当時6歳の坊主には余りにもマイナスの刺激が強すぎた。おまけに私が勝手に期待していたバラゴンの登場は最後までなし(当たり前だ)。冗談抜きに幼少期の私は多大なトラウマを負い、後年、これら東宝特撮映画がシリーズ的に続けてテレビで再放送されたときにもこの映画だけはパスしたのだった。酒癖の悪い、酒乱癖のある奴を見るとガイラを連想するようにもなった。多分こういう見え方は一生直らないと思う。
 今回、こうしてエントリーを立ち上げるに当たって、あちこちホームページを見ていたらこういうところに行き当たった。
http://homepage.mac.com/ubik_factory/cinema/cinema356.html
私があれこれ書くよりも遙かに的確な解説なのでご参照願いたい。

 ロクデナシではた迷惑な弟(ガイラ)と出来の良い兄(サンダ)という構図は現実の私と兄の関係そのままであることに今回気づいて悄然とした。もう40年近くも前のことになってしまったが、映画館で初めてガイラを見たときの生理的な嫌悪感、あれは実は後々自己嫌悪に繋がっていたわけですな。

(付記1)準主役でキャスティングされているラス・タンブリンが実は「ウェスト・サイド物語」にも出演していることを後年知った。更にその後テレビシリーズの「ツイン・ピークス」にも出演していたそうだが私は見ていない。
(付記2)前作もそうだがこれら特撮怪獣映画のLDはどれもバカ高い値段が最後まで崩れなかった。大体どれも9800円だったのだ。今にして思えば東宝もボロ儲けだったんじゃないだろうか。
(付記3)ここでやっと解説めいたことを書く。CGが跋扈する以前の特撮技法としては屈指の優秀作だと思う。私にとっては忌むべき作品だが十分大人の鑑賞に堪えます。


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