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居間のスピーカー BOSE 101MMGのこと [再生音楽の聴取環境など]

 家でゴロゴロしているうちにふと、天井に取り付けたスピーカーの掃除を思い立った。
     
 家の新築が6年前だったので、それ以来掃除らしいことはしていない。当然だがグリルなどには埃がたまっていた。

 居間のスピーカーはBOSE101MMGという。

BOSE 101MMG スピーカーシステム

BOSE 101MMG スピーカーシステム

  • 出版社/メーカー: BOSE
  • メディア: エレクトロニクス

 音質上のメリットなど皆無だがゴーグルグリルが格好いいと勝手に悦に入っている。上級機802のパロディみたいだ。自宅にあるスピーカーの中で最も稼働率の高いのは、実はこのBOSE101MMGだ。
 LP,CD,LD,DVD,FM,AM,ゲーム、ビデオ・・・要するに、テレビの音声以外は全てを受け持っている。本日のNHK-FM放送は一日一杯カントリーミュージックの特集だ。朝から晩まで居間のBGMとなっており、こういう用途には大変具合がよい。

 音質についてここで云々するのは適当でなさそうに思うが、一家に一台的な音質であり、価格だと思う。評価としてはそれで十分ではないだろうか。音楽を鑑賞するという行為での必要条件を満たす音質がこれなのだと私は考えている。
 言い換えれば、BOSE 101で満足できない方は財布の許す限り再生装置に投資すればよろしい、また、多少なりとも真面目に音楽を聴きたいのであればせめてこれくらいのスピーカーで聴いて欲しいという、趣味製品と実用品の境界線に位置している物体ではないかと考えている。

 ところで所謂オーディオファイルにとって、BOSEというのは鬼っ子というかどこか忌々しいというか、真面目に論ずるにも値しないような存在らしい。「ああ、ボーズね」と鼻白んだようにやり過ごすオーディオファイルを私は沢山知っている。
 たったの3万円強でそれなりの音質が手に入ってしまう呆気なさとあれこれ周辺条件を向上させても音質に大きな変化が現れない奥行きのなさがそういう意識をもたらしているのだろうと私は想像している。

 確かに「所有する喜び」をもたらしてくれるようなものではないがしかし、これ以前に出回っていた4万円弱のスピーカーが聴かせていた音質から比べれば誰がどう聴いても一大飛躍だったという事実は不動のものであって、101MMが再生装置のスタートであるとすれば、最初のシステムでスピーカーを選定するに当たって少なくともスカを掴むリスクが低減したという意味では発売以後の環境は間違いなく向上していると思うのだ。

 皮肉なことに、BOSE101の大ヒットと軌を一にしてホームオーディオ市場は冷え込みが始まり縮小していったという展開があった。逆風の中で生き残り、足場をキープし続けているということは結果として、良くも悪くもこの資本主義社会の中でBOSE101が優れた商品だったということの証明なのだ。ここに趣味性の入り込む余地がないことはいささか味気ないにせよ、だが。
 今時点での私は再生音楽に対する趣味性というのは、再生装置以前にまず、音楽ソースに向けられるのが健全な有り様ではないかと考えている。
 
 


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だ

101実に小憎らしい存在でありますな。
802に至ってはライブハウスのPAに良く使われていて、JAZZの生に近いと勘違いを起こさせるもっと憎いヤツでもあります。
って大昔こんなことどこかの掲示板に書いた気が・・・w
by だ (2007-02-15 20:37) 

shim47

 しばらくです。
良くも悪くもどこか素っ気ないというか、身も蓋もないブランドであり、製品作りだなあといつも思うのですが、こういう石部金吉みたいな面白みのない製品があって初めて他のメーカーの色々な個性が相対化されてわかりやすくなるという、何だか物差しみたいな存在だと思っています。

 ダブルウーファーにウッドホーンのエレナ嬢はその後ご機嫌いかがでしょうか?何だか最近、無性にそちら系のプレイバックを聴きたくなり始めています。
by shim47 (2007-02-23 00:21) 

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