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ワイヤレスで鳴らすiPod [再生音楽の聴取環境など]

 3年前にiPodを購入して以来、携帯用以外に自宅のステレオで活用する機会を窺いながらも時間がズルズル過ぎた。特に慌ただしい生活を送っていたわけでもないのに3年も放置していたあたりは私のずぼらな性分が良く反映されている。

 CDを聴くことがある一定の割合で習慣化してみるとリモコン操作の便利さは肯定せざるを得ない。考えてみればいつの間にか身の回りはリモコンだらけだ。都度都度席を立って何から何まで手動で操作しなければならないのはLPレコードだけになっている。あと強いて言えば、我が家に何台かあるFMチューナーはどれも手動で選局しなければならないが新しい機種であればどれもプリセット出来るものなのでこれは単に私の財布の問題でしかない。

 iPodは一種、ミュージックバンクとして機能しているわけだがヘッドホンの端子からFM電波を飛ばしてFMチューナーに受信させればリモコンとして機能することになる。音量調整も手元でできることになるわけで一石二鳥だ。
 ディジタルの、しかも圧縮データから生成された音楽ををFM電波として送るのだからもとより音質に期待はできないが、どれもこれも古臭い操作系で不便な拙宅のステレオ聴取環境にも利便性の享受ができそうな思惑を暖め続けていた。

 お遊び感覚で購入したFMトランスミッターはこれである。

audio-technica AT-FMT5 SBL カーFMトランスミッター

audio-technica AT-FMT5 SBL カーFMトランスミッター

  • 出版社/メーカー: オーディオテクニカ
  • メディア: エレクトロニクス

 持ち出したiPodに取り付けて、カーラジオで試してみると絵に描いたような不首尾に終わったのだが、音が酷いのはきっと私のカーラジオがよれよれの粗悪品だからだとその時は思った。すぐに音が途切れて砂嵐のようなノイズだらけになる不安定な送受信もきっとカーラジオのせいだと思い、それきり使うこともなくFMトランスミッターはどこかに吹っ飛ばしたままにしておいた。1年以上前のことだ。

 今回、テキトーなステレオセットをテーブルの上にこしらえてみて再び、iPodワイヤレス作戦にリトライしてみたくなった。考えてみると1年以上も前の不具合がカーラジオのせいなのかトランスミッターのせいなのか、問題の切り分けもろくすっぽしないままの放置である。我ながら本当にずぼらの神髄を究めたような奴だと思う。

 結果から言うと絵に描いたような不首尾の再現となった。ステレオイメージどうのと言う以前の酷さだ。まず音質が酷い。冗談抜きにイヤホンで聴いていたほうがよっぽどマシなくらいの劣悪さである。
 ステレオ再生はされない。よって左右にセパレートされない。質の良いモノラル再生のようにスピーカーの中間に音像が焦点を結ぶ様子もなく、ただ漠然と鳴る。
 マランツのチューナーModel 115は特に受信感度に優れているわけではないが、私の住んでいる土地で受信出来るFM放送は四局とも問題なくステレオ受信しているのでこれはトランスミッター側の問題と見るべきだろう。送信状態が非常に不安定ですぐに音が途切れて雑音だらけになるし音量が乱高下する。トランスミッターには何か送信用の調整箇所があるのだが、音が途切れないようにのべつこの部分を微調整し続けるのは大変な労苦である。もしも一曲、三分間の間送信が途切れないように操作し終えることのできる方がいたら心底褒め称えてあげたいほどだ。

 要するに何から何まで良いとこなしの大失敗となった。思惑は見事に外れて、このFMトランスミッターは使い物にならないという苦い結論だけが得られた。
 今回こうしてブログ記事を書くに当たってAmazon.comのユーザーレビューを見てみるとこの製品は無茶苦茶な叩かれようだ。Yahoo!!のオークションでも投げ売りされているようで、特段私が出来の悪い個体を掴んでしまったというわけでもなさそうだ。少なくとも社名にAudioという名前を掲げているメーカーがこういう製品を作るべきではない。
 安物会の銭失いを地でいった今回の試みに苦笑いすることしきり、四千円のやけどで済んだところは不幸中の幸い。


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