オレオレ詐欺に遭いそうになる [身辺雑記]
オレオレ詐欺とか振り込め詐欺とか呼ばれている悪事については斜め読みのお好きな一部の方々がなかなか興味深い陰謀論を展開していた。
つまりそれは警察権益拡大のための深遠謀慮であるというものだ。警察官の増員、警備会社の業務拡大など警察にとってはいい事ずくめという訳だ。しかしこの、陰謀論を唱える某氏の身辺にはそのような目に遭った人が一人もいないという。だから振り込め詐欺などというのは有名無実の作り話であるとの事だった。
その記事を読んだのは少し前の事で、確かに私の周辺でもそのような話を聞いた事はなかったので記事を結構真に受けた。いくら何でも電話の声を肉親と聞き間違える事などあるものか、と鼻先でせせら笑っていたのだった。
しかしそれは絵空事でも陰謀論でもなく、現実に起こっている悪事である事を今日知った。引っかかりそうになったのは他ならぬ私の母だ。
孫を名乗る男から電話がかかってきたのだそうだ。男の孫は一人いるだけで、しかも現在中学生なのですぐに怪しいと気付いたらしい。 どの孫なのか名前を教えてくれと切り返したら電話の男は「孫の名前も覚えていないのか」と声を荒らげた。もう、この反応でいかがわしさ全開だ。とにかく名前を名乗れと母が問いつめるとむこうから電話を切ったという。
余録のような後付けの話がある。既に怪しい輩である事が判明しているのにその男は数分を待たずに再度電話をかけてよこしてきた。 馬鹿の一つ覚えのように再び孫だを繰り返す。母は同じように応じて男は同じように怒鳴り散らし、捨て台詞を吐いて同じように電話は切れた。その後は特に何もないらしい。
振り込め詐欺も結構身近に起こっている出来事らしい。その後の母の話では近所で被害者が出た事はあるそうだ。それにしても困ったのは更にその後の事で、母は私が未だやもめ暮らしを決め込んで夫にも父にもなれずにいる事をあれこれと言い募る。孫の数が少ないのが不満らしい。しかし薮蛇とはこういう事で、今更私のような者にいい加減に身を固めろだの何だのと言われても何ともしようがない。少なくとも今のところ、孫を名乗る振り込め詐欺の心配はない、その一点だけについては安心の種なのだろうが。どうも年寄りにとっては孫というのは色々強い思いをかき立てるキーワードのようだ。
自分だけは被害にあわないと考えて結局だまされる人が続出しているわけですから、やはり巧妙な手口があるに違いないです。
電話で話をすればそれだけでも相手に情報を出してしまうことになるので
対処法を考えておくことが大事ですね。
新手の詐欺を看破するのは難しいです。
by いっぷく (2008-11-10 11:43)