5/Soft Machine (5/ソフト・マシーン) [音楽のこと(レビュー紛いの文章)]
今年の夏は天気がよくない。
一日晴れたかと思うと三日くらいは雨が降るような今日この頃である。晴れたからといって暑くなるわけでもない。目下のところ私の住む土地で真夏日は一日もないので半袖シャツの出番も例年に比べて大変少ない。
気候によって聴く音楽もある程度は定められてくるのが音楽聴きである私の習慣なので、例年であれば秋頃聴く事の多い本作を7月下旬、冷夏の昨今によく聴く。
本作については以前、Oops!にテキストをアップした事がある。今、投稿日を確かめてみると2005年の9月25日だったので、やはり秋頃に取り出して聴く事の多い音楽だったのを再確認できた。
http://oops-music.com/community/actionlog.html?mid=86500&mode=review&pnum=2
貼付けてみて改めて思うが、過去に書いたテキストを読み返すというのは恥ずかしいものだ。手前味噌だがこうして好き放題に垂れ流しのテキストを書き散らせるブログと違ってOops!への投稿は二千字以内という制約があるので私も内容をまとめる為にそれなりにない知恵を絞っていたらしい形跡は伺える。
それはさておき雨の降る肌寒い秋の夜に聴く本作というのは私にとって何とも馴染みがよく、 曲間のSEで使われるぴっちゃんぴっちゃんいう水滴の落下する音が音楽そのものと同じくらい強く印象に残っている。もう30年以上にもわたって雨、夜、秋に引っ掛けて私は本作を聴き続けているのだが何か音楽そのものが体の一部のようになってしまっているのかもしれない。情動性をとことん排除し、ストイシズムをとことん研ぎ澄ませていくとニヒルなダンディズムの境地に到達する事があるのではないかと私は本作を聴く度に思う。大変クールな世界だが他人様の目からは単なる偏屈オヤジの世界にしか見えないのだろうとも思う。
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