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I Want You Back/jackson 5 (アイ・ウォント・ユー・バック/ジャクソン5) [音楽のこと(レビュー紛いの文章)]

 先日のテキストでソフト・マシーン「5」のことを買いたのでこれに引っ掛けて、というわけではないが、今月亡くなったマイケル・ジャクソンのことをつい連想した。

 私はこれまで、マイケル・ジャクソンの熱心なリスナーだったことがない。
受け止め方としては、少年期においてカーペンターズに抱いていた印象に近いものを青年期においてはこの人に感じていた。ビューティフルではあるのだが自分には縁のない世界をシールドの外側から眺めている感じとでも言おうか。

 ある期間、私の身の回りには朝から晩までのべつまくなしにこの人の歌う歌が氾濫していた(本当に凄かった)。音楽などさほど熱心に聞かない人の家にもこのレコードは殆ど必ずと言っていいくらいあった。よほど売れまくったのだろう。
スリラー(紙ジャケット仕様)

スリラー(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/07/08
  • メディア: CD

 自分で買って聴きたいとは思わないが、工業製品としては恐ろしくクオリティが高いことには疑問の余地がない。ここから多くのカバーも生まれた。ビートルズがそうであるように永遠のスタンダードとしてこれから先は更に祭り上げられていくのだろう。

 それで、さほど関心を持つことのないシンガーだったわけだが、このブログでリンクを貼ってある町山智宏さんのブログページで記事を見て少し認識が変わったことを書き留めておきたい。

記事リンク  マイケル・ジャクソンはチャップリンだった  http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20090708

私にとっては目から鱗の落ちるようなテキストだったので(実は無断で)引用させていただくことにする。

(引用はじめ)

チャップリンの生涯とマイケル・ジャクソンの生涯には共通点があまりに多い

二人ともいつまでもこどものような大人を演じ続けた。

二人とも、いつも白塗りの顔にアイラインを入れたピエロの顔をしていた。

二人とも、ヘンテコな歩き方がトレードマークだった。

二人とも、作品では愛と平和を訴えながら、私生活ではペド呼ばわりされ、裁判にもなった。


(引用終わり)

 

ポピュラー・ミュージックは巨大な音楽産業であって、マイケル・ジャクソンともなれば大きなお金の動くビジネスモデルの偉大なアイコンだったことは言うまでもない。その音楽は一シンガーのという枠を超えて精鋭揃いのプロジェクトチームの所産と見るべきだろう。そのことの善し悪しをここで書き連ねる意図はないが、私個人としては声変わりする前の、恐らくはがめつい大人達との交渉ごとなどという場面とも縁がなく、ただただ天真爛漫にリードシンガーを努めていた(ように見える)頃の歌唱が割合と好きだ。 

少年期の私はこの、無邪気さや肯定的な空気をそっくり裏返しにしたような日々の中にいた。家庭も学校も大嫌いだったので、ただでさえ気分の沈みがちな日曜深夜に放送されていたこのソウル・トレインSoul Train は何だか忌々しい番組だったのだが、今になってYou Tubeで当時のプログラムを見ていると後のどこか無機的な印象さえ受ける巨大なビジネスアイコンとなったマイケル・ジャクソンはこの頃の歌いっぷりのほうが幸福そうに見える。 

 何でも亡霊騒ぎというのもあったのだそうで、 

どうせスタッフの影か何かだろう。全くくだらない。

今日日のテレビなどというメディアが低劣きわまりないのは論を待たないとしても、死んだ後もこうして面白半分に自宅の中を晒され続けるかつての主が気の毒だ。


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